今日はプットレシオスプレッドを紹介します。
プットレシオスプレッドは、オプション取引の中でも高勝率を誇る一方で、慎重な運用が求められる戦略です。本記事では、その仕組みとリスク、そして効果的な活用方法を詳しく解説します。
満期でポジションをとることはあまりオススメしません。レンジ相場などでは当然勝てますが、後述するように
相場急変に対応することがかなり難しいポジションになりますので注意が必要です。俗に言う即死ポジションなので多用は注意です。
プットレシオスプレッドとは?
プットレシオスプレッドはニアのプット買いと複数のファープット売りで構成されます。
クレジット受取り(売り玉コストが買い玉を上回る)になることが多いです。
プットレシオの損益図
プット25000買い1枚、プット24000売り3枚 のプットレシオ
クレジットは受け取り満期35000円
プットレシオのグリークス
ガンマショート、ベガショート、セータプラス。このガンマショートとベガショートが効いてきます。
リスクと注意点
プットレシオは逆行するとキツい
逆行すると大きな損失。資金力があれば粘れるのですが、損切りして
逆ポジションなどをとった方がマシなことが多い。
グリークスのガンマとベガの増大(損益が増える方に加速)
期中損益に注目! 1セットでも-50万程度いくことがあります。また、証拠金が増大してしまいポジションの維持が困難になることもあり、いろんな意味でキビシイです。最悪売り玉につき1枚100万となると大雑把に覚えておくと急に増える証拠金に納得されると思います。
証拠金についてはこちらの記事もチェック
レシオスプレッドはセータプラスだが、ガンマショート、ベガショートのリスクは大きい
コールレシオにもあてはまりますが、プットレシオも逆行に弱いです。
要は相場が上に行かないと勝てません。ヨコヨコが続いていてもWinになりますが、やっていることは先物ロングと同じです。
プットレシオで勝てる=先物上昇で勝てる。
すなわち先物または現物で勝てるはずです。リスクを考慮して、プットレシオの代替になるスプレッドも検討です。
正しい使い方としてはガンマベガロングポジションの利確として、プットレシオをとりポジション全体のベガやガンマロングを調整するなどの使い方だと思います。またプットのIVが盛っているときにベガショートポジションとして短期にポジションどり、IVが剥げたところで利確などです。
短期間でもかなりのプラスになりますので検討の価値ありです。しかしながら、現物や先物買いでも同様な利益をえることができるので相場環境なども加味することをオススメします。
逆行すると損失無限大のリスクがあるので、プットレシオで勝てているからといって安易に連発すると吹き飛ぶリスクがあります。
それでも、高勝率なのでポジションをとることはありますが売り玉の数が多くなりすぎないように注意して下さい。
売り玉が買い玉より多いスプレッドは一発死亡のリスクが常にあります。
レシオスプレッドは数万の利益と損失無限大ですので、常に利益とリスクの評価が必要です。少なくとも端っこのプット売りについてはプットバックスプレッドにしておくことやバタフライ変形など、損失が無限大にならない配慮が退場を減らすことにつながります。
まとめ
プットレシオスプレッドは高勝率の戦略ですが、リスク管理が不可欠です。特に、売り玉の数が多くならないように注意し、損失無限大のリスクを避ける工夫が求められます。
オプショントレーディングおすすめ本
オプショントレーディングおすすめ本を紹介します。
Trading Options Greeks: How Time, Volatility, and Other Pricing Factors Drive Profits (Bloomberg Financial Book 159) (English Edition)
英語ですが最近読んだ本では一番のお気に入りです。ボラティリティートレードについて詳しく解説しています。
ボラティリティートレードの実際や、各グリークスのリスク管理やポジション調整などについても触れられています。
オプションボラティリティ売買入門 (ウィザードブックシリーズ)
定番本です。ボラティリティートレードについて日本語解説されている貴重な本です。1点、レシオスプレッドを推奨する記述がありますが、ネガティブガンマポジションは安全ではありませんので注意が必要です。