先日の日経-2000円超えは先物だけやっている方には
ピンとこないと思いますが
ガンマロング、ガンマショートどちらが勝つのかという点でボラティリティートレードは非常に興味深い変化でした
ある程度予想されていたとはいえ、上げの全盛りで盛ったIVがイベント通過(これは結果にかかわらず事実となったことを指します)により、なんとほぼ全剥げ
驚きました。先物が2000円も下落したので常識的に考えたらIVは上昇するハズなのです
ですが、通過剥げ。イベントに備えてヘッジとして買われていたオプション建玉が減ったことを示唆します
このあとは、盛り返すかどうかはまた別の話となります
意外や意外、デルタは大きな損失となるところボロドロによって利益がでたベガショートスプレッドは非常に驚きました。さて、ボロドロをとるスプレッドといえば
ショートストラドル、カバードコール、カバードプットがありますが
今回は時間経過変化を考慮した話です
ベガショートなので、漫然とポジションすることは危険極まりないのですが、ボロドロをとるという戦略でいうと
カバードコールはジリ上げ、カバードプットはジリ下げ対応スプレッドになります
時間経過変化を考慮
カバードコールは 先物買い+コール売り で構成されます。
順調にカバードコールが機能した場合は、コール売りのIVが低下します。
つまりデルタニュートラルで構成したカバードコールは売り玉のコールのプライスが減価することによりデルタはロングに傾きます。デルタニュートラルを維持したい場合はカバードコールの縮小、または先物の利確になります
なので、カバードコールを組成してから先物が上昇するようなIVの低下を伴うリバウンドは利確しながらポジションを維持しやすくなります。とはいえ、逆行するとデルタはよりロングになり含み損も増えるのでこのあたりの塩梅は難しいところがあります。
例えば増えたデルタを消すためにコール売りを追加するとポジション全体のガンマショートは増えてしまうので、リスクをどこまでとれるかという話とボラドロがおこるのかどうかの見極めが重要になってきます。
むしろベアシンセティックへの変形でポジション全体のガンマをニュートラルに盛っていく方が危険度は低いでしょう。
カバードプットも同様の議論で
先物売り+プット売り なので、プットのIVやプライスが減価していくためポジション全体のデルタはネガティブになっていきます。デルタニュートラルを維持したいカバードプットはじり安を想定しているのです。
先物が上がったときにプットのIVが上昇、天井から徐々にジリ下げによりカバードプットを狙うということです
ただし、カバードプットの場合は天井からの急落シナリオに弱い特性があるので
プロテクティブコールを足したブルシンセティックやコールバックスプレッドの方がより安全なポジションと言えましょう