プロテクティブコールはバブル後最高値更新相場でも十分活躍しています。
今回は、プロテクティブコール戦略の実践における注意点と活用方法について解説します。
この記事では、プロテクティブコールがどのように機能し、どのような状況で効果的か、また注意すべきポイントについて詳しく説明します。さらに、直近の実戦例を通じて、戦略がどのように運用されるかを紹介します。
先物が上がっているときのコールIVが上昇する上げ盛りが見られている間は特に安定していたと思います。
実際は、先物が下落してしまうと下げ剥げしてしまう傾向だったので利確を的確に行う必要はありましたが利益が出ている間にポジションを調整するのが良かったようです。
特にプットの剥げは最近よく目だちますので、大暴落を除くとデルタニュートラルでのプット買い、プロテクティブプットやプットバックスプレッドは機能しにくいことがスマイルカーブのIV変化から見て取れます。
コール側はIVが下げ渋り、盛り返しもよく認めていることから低IVからのプロテクティブコールは今のところ優位性がありそうな傾向が続いています。
プロテクティブコールとは
プロテクティブコールは先物の売りとコール買いで構成されるスプレッドです。
デルタはニュートラルかややロングに調整することが多いと思います。さらに、相場観をいれる場合はコールの買いを増やして、予想通り先物が上昇したところでミニ売りを増やしてデルタヘッジをおこなったりコールの売りを足してダイナミックヘッジをおこなうなど様々な戦略が考えられます。
デルタを少しロングにする理由に、デルタニュートラルの維持があります。
これは、コールの買いオプションが時間経過と共に、ベガ、デルタが減少するためです。
そのためデルタをニュートラルに調整した場合は、先物が基本的に下げないとなかなかプラスになりにくいです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
プロテクティブコールのWin条件
ガンマロングなので、先物は上でも下でも大きく動くと損益はプラスになるので暴騰、暴落の両対応となっているスプレッドなので安定感があります。
IVが上昇したときは、損益が大きくプラスになること、証拠金が少なくすむこと。ブラックスワン対策を兼ねていると優秀なスプレッドであり、ほぼ常時頼りになります。
成功するためには以下の要素が重要となります:
- 先物が大きく動く可能性が高い時点でのエントリー
- コールオプションのIV(ボラティリティー)が低く、上昇が見込まれる時期
- 重要なマーケットイベントなどでオプションの買い需要が増える(IVが上昇しやすい)状況
プロテクティブコールのLose条件
残存が残っている場合は、ベガの影響が大きく、セータが小さいので数日以内に大きく動けばたいていの場合プラスになります。
が、14日以内でセータがキツくなってくると1,2日でもセータとボラティリティの低下で1セット数万のマイナスになることも珍しくありません。
デルタニュートラルに組んでIVの剥げを喰らうと結構な損失になることがあります。
時間経過、先物の動きが小さい、ジリ上げでコールのIVが剥げる展開は典型的な負けパターンとなります。
以下の状況ではプロテクティブコールは機能しにくくなります:
- 先物が停滞し、ほとんど動かない状況
- コールオプションのIVが既に高く、下落が見込まれる時期
- マーケットイベントを終え、オプションの売り需要が増える(IVが下落しやすい)状況
プロテクティブコールの注意点
プロテクティブコールは安定したポジションを提供するため、ポジションを持っていても安心感を与えます。しかし、この安心感が過信につながると、タイミングを見誤ったエントリーや適切なポジション調整の失敗につながる可能性があります。したがって、エントリータイミングをきちんと見極め、ポジションを適切に調整することが重要です。
エントリータイミング、ポジションとったあとの変化に注意する必要があります。
理想をいえば、ポジションをとったタイミングで先物が動いてくれれば良いです。
安定的なポジションであることから、コストを割り切れば損小利大でありますが、ポジション自体の勝利につなげるには、エントリータイミングを絞ることが重要と言えると思います。
実践では、マーケットの状況によっても変化しますが基本的に
プロテクティブコールをエントリーして1週間放置して勝利するパターンというのは大変動を除けば基本的に無いです。ポジション調整は必要となることは意識しておいた方が良いです。
例えば、先物が下がったときは先物を利確してデルタヘッジ分のコスト回収とするかホールドして下落時のコールIVの盛りを狙うかなど常に利確かポジション調整を考える必要がある点はガンマロングポジションの特徴と言えましょう。
利確を適宜いれておくことで損益は安定化するので、こまめの利確を心がけています。
直近実戦例
直近ですと、7月SQ前日の夜間のアメリカ指標抜けの際に低下したIVに着目し
C32500買い+先物ミニ のプロテクティブコールを仕掛けました
狙いは上か下に動けばWinでガンマ狙いトレードです。実際は、32000のあたりで大きく戻しまして以下の結果。実際はもっと大きく変動しましたが結果としてはガンマで大きく利益がでてプラス。コールは返済売りした後に上に飛んでしまい損した気分でしたが。。
先物ミニ1枚売り 32220→32030 買い戻し
23/07C32500 買い63→82 返済売り
Total 38000円 1セットで38000プラスなので悪くない結果だったと思います。