期近>期先のIV状況になっており
相場環境が落ち着いてくれば期近IVは低下しIVのサヤが落ち着いてくると思われます
また、出遅れの期先IVが上昇する形でのIVサヤが縮まる可能性があります
期近>期先のIV状況をエッジと捉えた場合に考えられる戦略として
カレンダーバックスプレッドがあります
カレンダースプレッドでも良いのですが、カレンダースプレッドよりも期先の買いを増やした形です
通常のカレンダースプレッドを同じプライスで組んだ場合は
コールもプットもプライスの近辺に向かって収益が増える損益グラフになります
ベガロングとなるためIVドロップが弱点です。セータはロングなので待っている間にプラスになることが多い
さて、ネットのベガはあまり参考にならないとはいえ相場が落ち着いてくるときはたいてい
同じ方向にIVが動く(基本的に低下)のでネットのベガが大きすぎるとボラドロップをもろに喰らう
じゃあ、ベガショートにしておくとどうかというと急変動に弱いので困る
そんなときのカレンダーバックスプレッド
プット側とコール側はオプション特性の関係で枚数の制限がある
コールはボラティリティが高くなりにくいので
期近の枚数と期先の枚数の比率を1:20とかにできない
ネット受取りで組むと1:3-4ぐらいがせいぜいだろう(買い玉は1000-2000円程度上のOUTM)
コールバックスプレッドの場合は下落時はIV上昇するので問題ないが
上昇時にIV低下がネックになる。というわけでベガロングはうまくいかないことが多い
プット側は先物上昇時にIV上昇することが多いので、この点は大きく異なる
状況によっては下落でも上昇でもIVが上昇するのでプット側のベガはロングでも問題ないことが多く
フラット気味に組んでも下落時はガンマが効いてベガロングになるから
暴落ヘッジという意味では効いている
セータを味方にしながら暴落ヘッジして期近のIV低下を狙いつつ期先のIV上昇も利益にする狙いということで
プット側のカレンダーバックスプレッドは状況が整えば非常に高度な戦略といえるだろう
問題は期近と期先のIVの動きの予想が難しいことと証拠金
ネットは受取り気味に組成しておいた方がやりやすいと思う。あとはポジション調整と利確は難しいところがあるが
基本的にはカレンダースプレッド特性があるので縮小していく(リバース気味なポジションが利確対応となる)のがリスクを減らすことになると思われる